西成の1泊900円ドヤ「新光」に泊まってみた感想【あいりん地区】

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大阪西成のあいりん地区に初めて潜入し、格安ドヤに泊まった前回の続きです。

西成の1泊1400円安宿「パークホテル」に泊まってみた感想とあいりん地区散策【ドヤ泊】
お正月に青春18きっぷを利用して大阪にやってきました。 大阪には何度か来たことがありますが、今回の旅ではどうしても訪れたい場所がありました。 それが あいりん地区・釜ヶ崎 通称「西成のドヤ街」 あまりに...

初日に泊まった「パークホテル」は思いのほか快適で、これならもっとレベルの高いところもいけると確信しました。

 

今夜はもっと安くて年季の入ったドヤにチャレンジしてみることにしました。

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大阪観光を満喫して、あいりん地区に戻ってきました。

 

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ちなみにあいりん地区へのアクセスは、JR新今宮駅地下鉄動物園前駅で降りるのが便利です。

西成駅とか、あいりん駅なるものはないので、最初は西成のドヤ街ってどこやねんってなりますよね。

 

さぁ今夜のドヤ探しです。

とは言っても、もう候補は決めているので空いていればそこに即決です。

 旅館かなめ 500円~

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まず寄ってみたのが「旅館かなめ」 

 

 三  帖

500円より

 

 

簡素に書いているけど衝撃的すぎる料金です。

看板通りの料金ならば、ここがあいりん地区最安のドヤです。

 

500円で個室に泊まれるなんて、今どき途上国の安宿でもなかなかないですよ。

安すぎて軽く引いてしまうレベルです。

 

例えば牛丼並盛290円なら、「安い!」と感じて飛びつくと思いますが、

牛丼並盛39円のお店があったら「えぇ…なんかやばい肉使ってそう…。」となにかネガティブな理由が隠されているのではないか疑ってしまうものです。

 

安さを素直に受け入れられる額にも限度ってものがあります。

 

しかし、僕が訪れた時はまだチェックインの時間外で、受付に人がいませんでした。

 

おそらくあと30分くらい待てば入れるのですが、今回は見送ることにしました。

正直に言うと、待っている間に冷静に考えてしまいビビってしまったのです。

 

こういった時は深く考えずに勢いで入るべきですね。

 

次回こそチャレンジします。

 

新光 1泊900円~

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次にやってきたのは、第二候補「新光」

 

1泊の料金は900円~1,000円

 

近くに「新光ハウス」という似た名前のドヤもあります。こちらは漢字2文字のみの「新光」です。

 

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ドヤがある通りを見渡すと大量に自転車が止められています。

長期滞在者が多い証拠です。

 

調べた情報によれば、ここも1泊から泊まれる格安ドヤということなのですが。

 

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 2018年現在では、格安ドヤが集うあいりん地区でも1泊1,000円以下で泊まれるドヤは限られています。

ここは数少ないうちの1つです。

 

風呂・カラーテレビ

コタツ・扇風機付

 

それ以外の情報は一切書いてありません。

夜になると看板が光って、隠してあるHOTELの文字が浮かび上がってきます。

 

ってことは長期滞在者向けのアパート化してしまったのか?

とりあえず、中で聞けばいいか。

勢いで入口の扉を開けてみました。

 

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扉を開けるとお客さんと受付のおばちゃんが話し込んでいました。

奥には1人おっちゃんが椅子に座っていてこっちを見ています。

 

なかなか話しが終わらないので床に座って待っていると、奥で座っていたおっちゃんが「兄ちゃんちょっと待っててな^^」と明るく話しかけてきました。

 

なにものなんだろうか。住んでる人なのかな?もしや新人潰しか…?

 

受付で話し込んでいた人が去っていったので、受付のおばちゃんに「1泊でも泊まれますか」と聞くと大丈夫とのこと。

多くは語らず1,000円を要求してきました。

 

あれ、900円は?と思いましたが圧力に負けて何も言えず無言で1000円を支払いました。笑

 

住所の記入などもなく最後に「お名前は?」と苗字を聞かれただけでチェックインは完了しました。

基本的にあいりん地区のドヤは個人情報をほとんど明かさずに泊まることができます。

 

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「んじゃ兄ちゃんついてきて」とさっきの座っていたおっちゃんに誘導されます。

部屋に向かいながら門限とかお風呂の時間とかを気さくに説明してくれました。

 

宿の人だったんですね。怪しんでごめんなさい。笑

エレベーターはなく、階段で上の階に上がります。

 

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部屋に向かうまでに見た光景だけでも、前回泊まったパークホテルとは明らかに空気が違うのがわかります。

 

旅行者どころか、1泊だけのんきに泊まりに来た人なんて誰もいない雰囲気です。

 

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部屋の数が多すぎておっちゃんも部屋の位置をちゃんと把握していなかったらしく、廊下を何度もグルグルまわったり、すでに先客がいる部屋を間違えて開けてしまったりしながらようやく部屋に到着しました。

 

「んじゃ^^」とおっちゃんは笑顔で去っていきました。

「ありがとうございます^^」と笑顔で返したものの何か忘れているような…・

 

そう、部屋のカギを貰っていません。

 

普通なら、カギ貰ってないです!と言うところなのですが、

西成のドヤでは1泊だと部屋のカギをもらえないということを聞いたことがあります。

 

いくらか預け金を受付で払えばもらえるらしいですが、次の日は朝早い時間に出ないといけないので、もしかすると受付が空いておらず、預け金を返還できない可能性があります。

 

まぁ貴重品なんて持ってきてないしいいか、とカギは諦めて中に入ります。

 

部屋の中は…?

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はっきり言って、部屋はかなり古びています。

2畳間を予想していましたが、部屋の広さは3畳くらいあって広く感じます。

 

おそらくこの広い部屋が1,000円で、900円の部屋はここより狭いのだろうと思われます。

 

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冷蔵庫の見た目は年季が入ってますが、中はけっこうきれいで冷凍スペースもあります。

まぁまぁな大きさがあるので食材を買い込んでも大丈夫そうです。

 

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テレビもちゃんと映ります。

 

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部屋のカギはあるだけマシといったところで、かなり頼りないです。

かみ合わせが悪く、ロックを下におろしてカチっと音がした後に扉を押したら普通に開いてしまったのは笑いました。

 

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冷暖房は一切ついていないませんでした。

訪れたのは1月だったので、部屋の中は寒かったです。

暖房がなくとも布団にくるまれば温まるのはわかるのですが

 

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この布団の中に入る勇気がなかなか出ませんでした。笑

 

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枕も僕の勇気を試してきます。

 

自分はチープな環境にはある程度耐性がある方で、どんな所でもくつろげると思っていまた。

しかし、ここの部屋にはなかなか適応できませんでした。

 

この時、僕が外泊で一番重視するのは、布団 or ベッドが清潔かどうかということに気づかされました。

 

その他の物がボロボロでもそこまで気にならなかったのですが、布団だけはどうしても慣れませんでした。

 

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部屋には椅子もなく腰掛けるところがないので、凍えながら畳の上でしばらく体育座りをしながらパークホテルとの環境の違いに呆然としていました。

 

部屋にいても寒いので館内を軽く探索してみました。

 

トイレ

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ちっこい小便器といいアルミ製?の大きな流し台といい、通っていた小学校の古い校舎のトイレを思い出します。

古いけれど清掃は定期的にしていそうでした。

  

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凄い量の張り紙

1泊900円エリア?

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上の階に行くとちょっと雰囲気が変わります。

部屋同士の感覚が狭いし、エレベーターがないので上り下りも大変なのでここが1泊900円のエリアなんですかね。

水浴びとは

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水浴びとは一体。

 

文字通り暑い日に身体に水を流すということなのでしょうか。

1日1回しかしてはいけないみたいです。

朝シャン的なものなのかな。

 

風呂・ランドリー

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最安900円という料金ながら、共同浴室も付いています。

銭湯代もかからないので、コスト面だけ考えれば日本最強レベルの宿でしょう。

 

僕は入る勇気が持てず、近くの銭湯に行きました。笑

 

迷路のような構造

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建物は真ん中が空洞になっていて、廊下を歩くとぐるっと一周できるようになっています。

 

まるで迷路のような構造で、ある意味男心をくすぐる香港の九龍城砦のようです。(行った事ないけど)

 

とりあえず銭湯に行って落ち着く

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あいりん地区周辺には銭湯がたくさんあります。

今回はアーケード街の中にある萬盛湯に行ってみました。

 

なかなか雰囲気のいい、地元の銭湯って感じで最高でした。

 

電気風呂があるのですが、発作を起こしそうなくらい強くて驚きました。笑

あいりんに来たら銭湯巡りをするのも楽しいかもしれないですね。

 

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ふぅー気持ちよかった…。

 

しっかり身を清め、ドヤに戻ります。

 

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も、戻りたくないなぁ…。

 

正直、新光の本格的すぎる雰囲気に負けてしまい、あの空間に戻るのが嫌になってしまいました。

古いドヤに泊まりたい、知らない世界を見たくて好奇心が止まらないなんて思ってたくせに、とんだアマちゃんだったのです。

 

 

「どうせ1泊1,000円だしいいか…。」

 

 

荷物は全部持ってきていたので、もう心は半分くらい他のきれいなドヤかサウナに移りかけていました。

 

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いやここで逃げたら男じゃない。

 

それに布団で寝るのが嫌なんて言ったら、あそこをホームにしている人たちやオーナーに失礼すぎる。

ドヤは恐怖アトラクションではない。

 

雨風しのげるところで寝れることに感謝して、よだれ垂らして熟睡するのが礼儀ってもんや。

 

気持ちを新たに新光に戻ってきました。

 

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 帰ってきたらなぜか停電していました。

 

停電は珍しいのか、住人たちが慌てている声が廊下から聞こえてきます。

 

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暗闇の中、近くのメガドンキで買ってきた弁当と焼き鳥をストロングゼロでかき込みます。

 

さすがはストロング缶。

すぐに身体が温まってきていい気分です。

これなら寝れそうだ。

 

 

「まだ停電なおらないの?」

「いま関西電力の人が向かってるから」

 

バタバタとした廊下の声をBGMに黙々とご飯を胃袋に入れます。

焼き鳥が冷えているので、あんまり美味しくないです。

でも電子レンジ使えないんだよなぁ。

 

 

1時間くらいしてようやく停電が復旧して、静かな夜に戻りました。

恐る恐るホロ酔いの身体を布団に入れてみるととても暖かく、すぐに眠ってしまいました。

 

新光に泊まってみて

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2泊3日の西成あいりん地区滞在を終えました。

 

短いながらもあいりん地区のドヤを体験できた貴重な時間でした。

こぎれいな観光客向けの安宿に連泊していたら、西成のドヤなんて結構快適だよ、という感想で終わっていたと思います。

 

今回泊まった新光はお世辞にも快適だとは思えませんでした。

もちろん1泊900円という、日本の物価を考えれば破格の料金なので批判するつもりはありません。

 

長いこと滞在すれば、住めば都で心境が変わってくるのかもしれませんが、短期旅行者が安さにつられて気軽に立ち寄る場所ではないのは確かです。

 

あいりん地区のドヤは、1泊1200円~1500円くらいを境目に、快適性が大きく変わります。

新光の料金からあと500円ほど足せば、もっと快適、清潔なドヤに泊まれるのです。

その500円を、たったそれだけと惜しまない状況にある方があえて行く必要はないと思います。

 

それでも行ってみたという方は、ここで真剣に暮らしている人たちがいるということを忘れずに、マナーを守って過ごしましょう。

あいりん地区には無数の格安ドヤがあるので、本当に泊まりたい人が泊まれないという状況にはなりにくい(住んでいる人の多くは月極で契約をしています)ので、泊まりに行くこと自体は問題ないと思います。

 

釜ヶ崎から: 貧困と野宿の日本 (ちくま文庫)

釜ヶ崎から: 貧困と野宿の日本 (ちくま文庫)

 

 人生でなにかあっても、この街に来ればなんとかなるという考えは楽観的すぎるのでしょうか。

実際にそうなるかは分かりませんが、選択肢があるというだけで、大げさに言えば生きる勇気をもらえます。

 

帰りの電車であいりん地区に強い興味を持ったきっかけの1つ、生田武士著「釜ヶ崎から」を再び読んで、しんみりと考えてしまいました。

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